株主・投資家情報

 コンドーテックは商社として、そしてメーカーとしての2つの顔を持ちます。この2つの融合はただ単に1+1=2に留まらず、無限の拡がりを産み続けています。 
 当社グループは、成長戦略をオーガニック成長と周辺強化による成長の2つに分けております。オーガニック成長は既存事業戦略で、現在まで、この戦略を武器に収益基盤を固めてきました。一方、周辺強化による成長は既存事業以外の強化取組事項で、今後さらなる飛躍を目指し、新たな収益ドライバーとなり得る戦略として掲げているものです。これらを軸に、2020年代中に売上高1,000億円突破を目指してまいります。  
 これからも事業展開を無限に拡げ、持続的成長の実現に繋げていきます。

既存事業戦略(オーガニック成長戦略)

拠点展開

 お客様のニーズに迅速に対応すべく地域に密着した販売体制を整えられるような拠点展開を目指しております。
 直近では、2022年4月に当社において群馬営業所を開設いたしました。
 今後とも、クイックデリバリーで顧客重視の経営を実現すべく、尽力してまいります。

群馬営業所

自然災害への対応

 震災の復旧・復興や、各地で猛威をふるう大雨などの異常気象が発生した場合、当社の商材が必要となります。
 当社では全営業店にて、在庫を持ち、それら緊急を要する資材の需要に即座に対応できる体制を全国で整え、供給責任を果たしております。

災害時に使用される商材の一部
左:ブルーシート 右:コンテナバッグ

4つの成長戦略

受注力強化に向けて、次の4つの取り組みを実施しております。

①新規販売先の開拓

 営業担当者1人当たり 月平均1社、年平均1,500社の新規販売先を開拓しております。
 また、1人当たり年平均10社の休眠顧客の掘り起こしを実施し、これらの活動が販売取引社数2万社超の源泉となっております。

 
②新商材の提供

 新商材開発のため、販売先からの要望や改善案について、定期的に営業部門と製造部門の合同の新商材委員会を開催しております。実例として、2021年に軽量鍛造フック「LSフック」(当社九州工場で製造)、2022年にアルミ製角パイプ「アルぱか」(栗山アルミで製造)など軽量化に着目した商材の販売を開始いたしました。引き続き、より付加価値の高い商材を開発・開拓し、供給できるよう取り組んでまいります。

アルぱか

LSフック

 
③売り方の工夫

 商材の販売だけでなく、アンカーボルトの施工を請け負えるよう、社内に土木(建築)施工管理技士を置き、建設業許可を取得するなど、体制を整えております。建築の初期段階に入ることで、そのあとに必要となる建設資材の情報をいち早く掴み、営業に活かしております。
 さらに、ニーズの高い取扱品をまとめた総合カタログのほか、吊り具や緊急物資など特定の分野、お客様に特化したカタログも発行しております。

吊り具カタログ

緊急物資カタログ

 
④販売ルートの開拓

 既存の販売ルートだけでなく、ホームセンターや鉄道会社など新業種への事業拡大を図っております。
 また、当社の組織下に「eコマースグループ」を設置し、当社の取り扱う幅広い商材群をインターネットを介して販売することで新たな顧客層へアプローチしております。
 そのほか、近年受注が増加している大手商社、ゼネコンの本部サイドからの集中購買、一括購入への対応として、首都圏営業の専任部隊を設置しております。

売上高(百万円)

既存事業以外での強化取り組み事項(周辺強化)

海外市場への展開

 成長が見込まれる海外市場への展開を進めていくことが収益力の強化になると考えており、2012年11月にタイ現地法人を設立しました。2014年8月には増資を行い、共同出資会社2社より全株式を取得し、実質的に当社の完全子会社といたしました。現在はタイを拠点にASEAN諸国での事業エリアの拡大に向けて活動しています。今後は、販路の増強や海外での人員増を含めたさらなる営業力の強化により、海外売上高比率を高めてまいります。

<コンドーテック株式会社と海外展開>

 2024年3月期計画の海外売上高は416百万円(海外営業部、タイ現地法人合計)ですが、1985年のプラザ合意以前は当社も輸出事業が盛んで2,000百万円程度の輸出がありました。しかし、1997年にアジアの通貨が暴落した通貨危機で輸出が困難となり、輸出から輸入へシフトしました。その後、円高の影響を受けない体制を確立するため中国にOEM工場を十数ヶ所開設し、2006年頃から輸出を再開しております。

今のコンドーテック(オーガニック)・未来のコンドーテック(周辺強化)の成長を加速するために

M&A戦略

 企業の買収や資本・業務提携を事業基盤の強化を図るための重要な戦略の一つと位置づけております。買収・提携の案件については、資本コストを意識しながら対象事業の成長性について分析議論を行い、積極的に検討を行っております。2019年から2021年にわたり、維持修繕分野を強化するため仮設足場等の架払工事を行う企業3社を買収し、維持修繕分野の事業拡大を目指す他、2021年にはアルミ押出型材等の製造開発事業を行う栗山アルミ株式会社を買収し、軽量化に対する需要に取り組んでおります。今後も周辺強化による成長を担う、隣接する業界への進出やネット事業の拡大等、M&A戦略を考慮に入れながら中長期的な企業価値向上に努めてまいります。

 M&Aの実績

2010年
 
 三和電材株式会社の全議決権株式を取得し子会社化

2012年
 
 KONDOTEC INTERNATIONAL (THAILAND) CO.,LTD.(タイ・バンコク市)を設立

2014年
 
 中央技研株式会社の全議決権株式を取得し子会社化

2016年
 
 株式会社秋長製作所より「アルプス印の鉄滑車」の製造事業を譲受

2018年
 
 「あと施工アンカーボルト」等の建築用金物製造販売業のエヌパット株式会社との業務資本提携

2019年
 
 株式会社メカトロエンジニアリングより「省力化、画像処理機器事業」を譲受
 ヒロセ興産株式会社(現 テックビルド株式会社)の全議決権株式を取得し子会社化

2020年
 
 東海ステップ株式会社の全議決権株式を取得し子会社化

2021年
 
 株式会社フコクの全議決権株式を取得し子会社化
 当社を分割会社とする単独新設分割により日本足場ホールディングス株式会社を設立
 栗山アルミ株式会社の株式を取得し子会社化

 M&Aにおける4つの視点

1.隣接する業界

建設業界以外の業界に関わる企業をM&Aし、事業の拡大を図る
実績:三和電材株式会社
   栗山アルミ株式会社

2.事業の深掘り

部材メーカー等をM&Aし、既存事業を深掘する
実績:中央技研株式会社
   テックビルド株式会社
   (ヒロセ興産株式会社より社名変更)
   東海ステップ株式会社
   株式会社フコク

3.事業エリアの拡大

海外拠点保有企業をM&Aし、販売フィールドを拡大する

4.販売形態の拡充

小売、カタログ販売、ネット販売といった既存事業とは異なる販売形態の企業をM&Aし、販売形態を拡充する