技術情報
スリングについて
吊り作業に使用するスリング(つり索)の素材 には、大きく分けて「ワイヤロープ」「繊維ベルト」「チェーン」の3つがあります。コンドーテックでは各種スリングを取り揃えており、皆さまに安全に吊り荷作業をしていただくために、各スリングについての特長や基本知識をご説明いたします。
ワイヤロープスリング
1.ワイヤロープスリングとは
ワイヤロープはクレーンやエレベーター、吊り橋など様々な場所で使用されています。そのワイヤロープを吊り荷作業用に先端を加工したものがワイヤロープスリング(玉掛索)です。荷台などに固定するために使用する台付索とは強度面が異なるので注意してください。
2. 玉掛索と台付索の違い
玉掛索 | 台付索 | |
---|---|---|
用途 | 荷物を吊り上げる | 荷物を固定する |
外観 | ||
見分け方 | 飛び出しているヒゲが 12箇所(6ストランドの場合) |
飛び出しているヒゲが 6箇所(6ストランドの場合) |
端末止めの方法 | クレーン等安全規則第219条 及び労働安全衛生規則第475条 により定められた加工方法 |
法的規定はない |
安全率 | 6以上 | - |
玉掛索の編み込みは、すべてのストランドを編み込んだ後、
それぞれの素線の半数を切り、残された素線をさらに編み込むので
ヒゲが12箇所になるよ。
3. 端末止めの方法
素線が損傷しやすい
(サツマ加工)
隙間に通しやすい
熟練を要する
(アルミ合金クランプ)
点検容易
サイズにより
必要個数が代わる
サツマ・ロック法
価格が高くつく
ワイヤロープスリングとして使用する場合は
ロック止め加工法、アイ・スプライス法、サツマ・ロック法がおすすめだよ。
4. 安全にご使用いただくために
ワイヤロープスリングを使用する際に、正しい取り扱い方についてまとめました。
PDF版をダウンロードできますので、ご活用ください。
また、日常の点検と交換の目安を分かりやすく表にした「ワイヤロープ点検チェックシート」も併せてご活用ください。
繊維スリング
1. 繊維スリングとは
繊維スリングは、合成繊維製のベルトを使用したスリングです。ワイヤロープやチェーンのものよりも軽量で持ち運びしやすく、吊り荷を傷つけにくいのが強味です。
当社では自社ブランド品として「コンドーパワースリング」を販売し、用途に応じてバリエーションを取り揃えています。
2. コンドーパワースリングの特長
三拍子揃った
小回りのよさ
運送・荷役・建築土木など
各業界の物流経済の潤滑化に大活躍
軽便な扱いよさ、荷作業が軽快に進みます。合繊中高強度低伸度のポリエステルを使用し、安全を第一にしています。また用途に合わせて耐薬品性を高めた製品(KP-3)や、デリケートな荷物を吊る際に適したソフトタイプ(KP-4)、超重量物用(メガパワースリング)などがあります。
3. 安全にご使用いただくために
コンドーパワースリングを使用する際に、正しい取り扱い方についてまとめました。
PDF版をダウンロードできますので、ご活用ください。
また、日常の点検と交換の目安を分かりやすく表にした「パワースリングの点検チェックシート」も併せてご活用ください。
ベルトスリングの使用状況により、外観に損傷及び異常がなくても
上記の使用期間を超える物は廃棄してね。
4. 特注品も作成いたします
チェーンスリング
1. チェーンスリングとは
チェーンスリングとは、チェーン・フック・リングを組み合わせて作られるスリングです。他のスリングよりも耐熱性に優れているので、温度の高い場所での使用に向いています。
コンドーテックではPewag社(Austria)をはじめとするチェーンスリングを取り扱っており、お客様のご要望に合わせてセット品を作成いたします。
2. チェーンスリングの部材紹介と選定
マスターリンクの選定
1・2本吊りの場合
3・4本吊りの場合
3~4本吊りの場合は均等に荷重がかかるように
サブリンク付マスターリンクを使用してね
■ チェーンの選定
吊荷の重量にあったチェーン線径を選んでください
■ カップリングの選定
アイタイプの場合にはチェーン線径に合わせてカップリンクを選んでください。
■ フックの選定
吊り方、取り付け部の形状に合ったものを選んでください。
アイタイプ構成部材
ピンタイプ構成部材
ショートニングピンタイプ構成部材
3. 安全にご使用いただくために
Pewagチェーンスリングを使用する際に、正しい取り扱い方についてまとめました。
PDF版をダウンロードできますので、ご活用ください。
また、日常の点検と交換の目安を分かりやすく表にした「Pewagチェーンスリングの点検チェックシート」も併せてご活用ください。